“The Veil”&”Snowden”

映画『スノーデン』と『CITIZENFOUR』を観直した。実は『スノーデン』 のエンディングがピーター・ガブリエルの曲であることに気付かなかったからだ。ジュリアン・アサンジのドキュメンタリー映画には似合わない曲だが、エドワード・スノーデンならいい感じかな、と。いや出来れば、個人的には、映画と言うより、ドキュメンタリーとしての『CITIZEN FOUR』のエンディングにして欲しかった。ともあれ、 ピーター・ガブリエルの曲もスノーデン世代的には、懐メロのように聞こえてしまうかも、と言うのが一番の心配だ。

 英国は酷い監視社会だが、いつも反逆者(Traitor)が潜んでいる感じも悪くはなく、何かしら、それも気になるコンテンツに変えてしまう国である。映画『裏切りのサーカス』のタイトルが酷いのは(サーカスは原題は、Tinker Tailor Soldier Spy。イギリス秘密情報部が、ロンドンのケンブリッジサーカスにあることから通称サーカスと呼ばれる。)、あの国ではつい最近まで、MI5やMI6の名刺は外務省の住所にあるかのように書かれているが実は存在しない公然の秘密組織であった。それに今もGCHQ(英国のNSA)の番地すら秘密にするぐらいなのだが、どこかしら本人たちもスパイが国に貢献していることをアピールしたいようだ。

 グレアム・グリーン、ジョン・ルカレ、イアン・フレミングとスパイ小説の有名な書き手は、秘密のはずの元スパイたちである。007など、どうしてまた現実のスパイと程遠い演出がされるのかわからない。イアン・フレミングも随分悩んだようだ。 いずれエドワード・スノーデンもプログラマーからサイバーパンク風のスパイ小説家になるかも知れない。それに、そうしないと大衆はすぐ彼のことも忘れ、既存メディアの監視社会への警鐘も鳴り止んでしまいそうだからだ。

 しかし、映画『スノーデン』の劇中では、実際に暴露された横田基地での日本の防衛省幹部を軽くあしらった話しや、日本が言われるがままに金を出しては、自分に不利益な諜報行為に加担させられている下りは大幅に省かれたものの、日本は攻殻機動隊ばかりリスペクトされて、日本のインテリジェンスが小馬鹿にされているのが悔しいところだ。まあ、そういう意味ではスノーデンのように祖国を裏切る必要もないほどの期待も裏切りもないと考えるなら、この国はまだ幸せな国なのかも知れないのだ、としておこう。

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